ドローンプラント点検のメリット・デメリットと導入価格/活用事例を紹介

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自社にもドローンを導入したいけど..

どんなメリットがあるのか

逆に、デメリットはどうなのか

導入にいくらかかるのか

どのような場所で使えばいいのか

このように思っていませんか?

実は、ドローンを導入することで、

メンテナンスに時間と人材を割くことなく、安全に生産性を向上させることができます。

ドローンによる点検は、少人数でも行え、人が行きづらい危険な場所でも時間をかけずに点検できるからです。

これからドローン導入におけるメリット、注意が必要な点、どのような使い方をすれば費用対効果が得られるのかを説明します。

読み終えると、必要最低限の費用で生産性を高めるドローンの活用方法について把握できるようになります。

つまり、従来の点検方法を見直すだけで、設備の停止期間が少なくなり、生産性をあげることができます。

経済産業省などのデータによると、3割以上の石油化学プラント系企業がドローンを導入しており、効果を実感しています。

これから導入を検討されている方はぜひ参考にしてみて下さい。

ドローンによるプラント点検

近年、工場やプラントなどにおいても生産性はもちろん、安全性を配慮したプラント運営が求められています。これらの課題にドローンがどのような関わり方をすると効果的に活用できるのか紹介します。

プラント点検とは

化学、石油精製、製鉄、発電プラントなどの機能を保持するために行う設備管理です。定期的な点検・補修により、トラブル発生を未然に防ぐことが目的で、長寿命化や生産性向上に役立つものです。

プラント点検の課題

プラント点検における課題は以下の3つです。

  • 設備の老朽化
  • 保安力の低下
  • 人手不足

設備の老朽化

高度経済成長期に作られたプラント設備の多くは、50年以上もの歳月から設備の機能が劣化し、故障や漏洩、火災などの事故が増えています。

保安力の低下

このような設備の老朽化の要因は、設備保全が十分なされていないことです。

この背景には、保全コストの縮小や、人手不足が挙げられ、喫緊の対応が求められています。

人手不足

ベテラン作業者が引退していく傍ら、若手の技術力不足がネックとなっており、これには二つの理由があります。

一つは、グローバル化による競争が激化したため保全業務に予算を回せなくなってきたこと。次に、国内不景気時代に人材を採用できなかったことから、中継ぎ役の設備保全が十分なされていないからです。

プラント点検には、これら3つの課題が明白になっており、安全性の向上や、事故リスクを避けるための大きなネックです。

プラント点検における効果的なドローンの使い方

先ほどのプラント点検の3つの課題を解決に導くツールがドローンです。

例えば、ドローンはこのように活用することができます。

  • 高所の点検
  • 事故予防
  • 災害時の現場点検

高所の点検

煙突や貯槽タンクをはじめ、足場を組むような高所や目視しづらい場所の状態を速やかに確認することができます。

事故予防

ドローンによるカメラ映像を解析することにより、不良箇所を特定できたり、故障の予兆を過去のデータから見つけることが可能となります。

災害時の現場点検

災害や事故発生時の現場点検にドローンを使うことができ、作業者のリスク回避に役立ちます。

筆者
筆者

今まで人員を導入し、時間やコストをかけてきた点検も速やかに行うことができます。

ドローンによる工場点検は危険なのか

工場やプラント設備には、労働安全衛生規則第280条により、

「爆発の危険性がある箇所において電動機などを使用する場合、防爆対策をしなければならない」と記載されています。

現時点(令和6年8月時点)で、引火性の物の蒸気、又は可燃性ガスが爆発の危険のある濃度に達するおそれのある箇所においてはドローンの使用が認められておらず、プラント設備においては、活用できない箇所もあります。

誤って危険箇所での飛行に注意する必要があります。

筆者
筆者

現在、さまざまな企業において防爆ドローンの実証実験が行われており、今後、プラント設備における危険箇所の点検も限定的に行われていきそうです。

引用:総務省消防庁 労働安全衛生規則第280条 

参考:古河産業 防爆ドローン開発プロジェクト

ドローンプラント点検のメリット・デメリット

メリット

  • 危険作業を減らせる
  • コストを減らせる
  • 定期点検期間の短縮
  • 人員を減らすことができる
  • 修繕計画を立てやすい

デメリット

  • 危険区域は点検できない
  • 触診ができない
  • 天候に左右される
  • バッテリー駆動である

ドローンによる工場点検のメリット

ここからは、ドローンによる工場点検のメリットについて紹介します。

危険作業を減らせる

煙突など従来では点検しづらく危険な作業でも、非GPS環境に対応したドローンなどを活用することで人による危険リスクを減らすことができます。

>>非GPS環境下で飛行できるドローンとは

コストを減らせる

従来の点検方法では、足場を組んで設備の点検を行っていましたが、ドローンを使えば、足場設置の必要がなくコストを削減できます。

例えば、足場を組むと、1平方メートル当たり700円~1000円のコストがかかり、解体にも一坪5万円から10万円の解体費用がかかってきます。

定期点検期間の短縮(法律で義務化)

足場やクレーンなどを組む必要がないため、工期を大きく短縮できます。

例えば、経済産業省のサイトからの引用ですが、「コーンルーフタンク外面の腐食点検」であれば、2時間程度の点検で作業が終わります。

定期修理とは

プラント、工場などの設備では、日常点検などのほか、定期的に設備を停止し、点検を行う定期修理が義務付けられています。この期間、多くの作業者が、ある一定期間点検作業に従事するため、生産性が向上しないという課題があります。

人員を減らすことができる

ドローンによる点検は、操縦士、補助者、警備スタッフなどの人員だけで実施することができるので、従来の方法と比較して人材を節約できます。

さらには、手の空いたスタッフを他の業務へ回すことができるので生産性の向上が見込まれます。

修繕計画を立てやすい

ドローン点検で撮影した画像などは、3Dモデリング化や、AIで解析することができるので、現状の設備状況から将来の中長期的メンテナンス計画を立てやすくなるメリットがあります。

もちろん、現状の不具合箇所も発見しやすくなるので、状況が悪化する前に対策をとることができます。

ドローンによる工場点検のデメリット

危険箇所は点検できない

プラント点検では引火や爆発の恐れがある場所ではドローンの飛行が禁止されています。

ただし、いくつかの企業では防爆ドローンなどの開発も行われており、将来的に導入が見込まれています。

>>ドローンによる工場点検は危険なのか

触診ができない

ドローンによる撮影はメリットが多いですが、人による触診などの点検ができないので、映像から不具合箇所を見逃してしまうケースもあります。

天候に左右される

工場、プラント点検だけにとどまらず、ドローンは電子機器なので、悪天候下では飛行できません。

また、条件がつかない限り、風速5m/s以上の場合も基本的に飛行させることができないので注意が必要です。

参考:国土交通省 無人航空機飛行マニュアル

バッテリー駆動である

バッテリーの駆動時間が20分~50分なので、点検時間や点検範囲も考え、飛行ルートを考える必要があるでしょう。

筆者
筆者

このあたりのデメリットも徐々に改善されつつあり、防水、防塵型ドローンや、ハイブリッド型ドローンなどもリリースされつつあります。

ドローンによるプラント(煙突)点検の活用事例

1.

2.

引用元:経済産業省 産経新聞

1.外観 ・ 屋根点検

JSR株式会社

2.ダクト内狭所点検

JSR株式会社

3.関西電力の火力発電所

Dshift

ドローンによるプラント点検の価格相場

プラント点検の価格は設備ごとに変わるので見積もりが必要です。プラント点検を外注する場合、以下のような費用がかかってきます。

種別内容
点検費用機材費や人件費など
報告書作成費データ解析費、
報告書作成費など
申請費など国土交通省飛行許可申請
費用など
その他諸経費ドローンの保険料や交通費、
必要機材や消耗品など
スライドできます。<>

参考:国土交通省 建築保全業務積算要領  

非GPS環境下で利用できる自律型ドローン

非GPS環境下とは

非GPS環境とは、屋内外問わず、衛星電波が受信できない環境のことです。プラント内もそうですが、地下、橋の下、山岳地帯、森なども非GPS環境下です。

このような環境においても点検に利用することができるドローンが非GPS環境対応のドローンです。

例えば、LiDAR SLAM技術を利用した非GPS環境対応のドローンが有名です。

LiDAR SLAM

地下空間などにおいてレーザーを発信し、障害物から返ってくる反応から位置情報を割り出す技術で、地図の作成測量にも応用されている技術です。

IBIS(アイビス)

株式会社Liberaware(リベラウェア)が提供する屋内狭小空間専用のドローンです。このドローンの特徴は、工場や地下空間などでの運用を想定して作られています。配管の隙間や煙突内でも容易に点検が可能な機体です。

セキュアなドローンSmokestacker TAKEOFF

引用元:株式会社ACSL

株式会社ACSLと言えば、セキュリティー対策済みの蒼天(SOTEN)を販売していることで有名ですが、ドローン大手の会社でもあるので多種多様なドローンを扱っています。

「Smokestacker TAKEOFF」は煙突専用のドローンです。

この機体は、LiDAR搭載はもちろん、高精細カメラ(6000万画素)や高輝度LEDも搭載されており、狭くて暗い場所においても、正確にひびの検知まで可能です。

ACSLドローン(国産産業用)の評判

株式会社ACSLは国産ドローンメ-カーです。

国産ドローンということで応援の声が非常に多く聞かれる一方、価格が高いという声も多く見られました。

また、一部機体の制御不能などのニュースもありましたが、ソフトのアップデートで解決しています。

点検用ドローンの価格

非GPS対応ドローンの価格を知るにはメーカーに問い合わせが必要です。

(価格のやつ)

DJI正規代理店AIRSTAGE

DJIドローンの価格はこちらから

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プラント点検を外注する場合はこちらの記事からおすすめの点検会社を選べます。

ドローン点検会社おすすめランキング14選/費用相場を徹底紹介

プラントにおけるドローン活用の未来

近年のドローンは、さまざまなスペック向上により安全性も上がり、操作がシンプルになっているので、導入される企業も増えています。

さらには、自律型ドローンなどの自動化が進むことで、時間や人材に余裕ができ、現状のプラント設備が抱える課題も解決に向かっていくと考えられます。